
家庭菜園で果樹を育ててみたいけれど、何から始めればよいか迷っていませんか。中でもキウイフルーツは、自宅で収穫できたら嬉しい果物の一つです。しかし、いざ育てようと思うと「キウイの実がなるまで一体何年で実がなるのだろう?」と疑問に思う方も多いでしょう。
この疑問の他にも、具体的な苗木の育て方や適切な苗の植え付け時期、人気のゴールドキウイの育て方など、知りたいことはたくさんあるはずです。特に、限られたスペースでの栽培を考える方にとっては、育て方として鉢植えが可能なのか、その場合の鉢植えの収穫量はどのくらいなのかも気になります。また、栽培の過程では「キウイの実がならないのはなぜですか?」といった問題に直面することもあるかもしれません。
さらに、「キウイは1本でも実がなりますか?」という根本的な疑問や、「キウイを庭に植えてはいけない理由は何ですか?」といった気になる噂、そして育て方の一つである挿し木での増やし方、さらにはキウイの木の寿命はどのくらいなのか、という長期的な視点まで、知っておきたいポイントは多岐にわたります。
この記事では、そうしたキウイ栽培に関するあらゆる疑問に答え、苗木の植え付けから収穫まで、あなたが自信を持ってキウイ栽培をスタートできるよう、必要な情報を網羅的に解説していきます。
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キウイが実るまでにかかる年数の目安
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苗木から収穫までの基本的な育て方の手順
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キウイが実らない時によくある原因と対処法
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鉢植え栽培と地植え栽培それぞれの注意点
キウイ実がなるまでの基本的な育て方
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キウイは何年で実がなる?
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初心者向けキウイ苗木の育て方
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最適なキウイ苗の植え付け時期
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ゴールドキウイの育て方のコツ
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鉢植えでの育て方と期待できる収穫量
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挿し木での簡単なキウイの育て方
キウイは何年で実がなる?

キウイフルーツの栽培を始めるにあたり、最も気になる点の一つが「植えてからどれくらいの期間で実を収穫できるのか」ということでしょう。結論から言うと、キウイが実るまでの年数は、育て方によって大きく異なります。
一般的に、園芸店やホームセンターで販売されている苗木から育てた場合、比較的早く収穫を迎えることができます。順調に育てば、植え付けから1~2年ほどで花が咲き始め、結実するようになります。3年目には、より安定した収穫が期待できるようになるでしょう。これは、販売されている苗木が、すでにある程度成長した状態(多くはつぎ木苗)であるため、初期の成長期間を省略できるからです。
一方、食べたキウイの種から育てる場合は、かなりの時間と根気が必要になります。種から育てた場合、発芽して苗が成長し、花を咲かせて実をつけるまでには、一般的に3年から8年程度かかると言われています。中には10年以上かかるケースもあり、さらに、その木が雌木なのか雄木なのか、あるいは美味しい実がなるのかは、実際に花が咲き、実がなるまで分かりません。そのため、家庭で確実に収穫を楽しみたいのであれば、苗木から育てる方法が最も現実的で確実な選択肢と言えます。
また、木が結実する年齢に達した後も、開花してから収穫までには一定の期間が必要です。キウイは通常5月頃に白やクリーム色の美しい花を咲かせます。無事に受粉が完了すると、そこから果実が少しずつ大きくなり、収穫時期を迎えるのは開花から約4~6ヶ月後、具体的には10月下旬から11月下旬頃となります。
以上のことから、キウイ栽培を始める際は、苗木から育てることで比較的短期間で収穫の喜びを味わうことが可能になります。
初心者向けキウイ苗木の育て方

キウイフルーツの栽培を成功させるためには、最初の苗木選びと植え付けの準備が非常に大切です。この初期段階で適切な準備を行うことが、その後の健全な成長と豊かな収穫への第一歩となります。
苗木の選び方
まず、良い苗木を選ぶことから始めましょう。園芸店やホームセンターの苗木売り場に行くと、様々な状態の苗が並んでいます。以下のポイントを参考に、元気で将来性のある苗を選んでください。
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幹や枝がしっかりしているか:幹が太く、病気や傷がないものを選びます。枝がひょろひょろと細長く伸びすぎているものより、節と節の間が詰まってがっしりしているものが良い苗です。
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病害虫の痕跡がないか:葉や幹に斑点や変色、虫食いの跡がないか、カイガラムシなどの害虫が付着していないかをよく確認します。
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品種名と雌雄が明確か:ラベルがしっかりと付いており、品種名と「雌木」「雄木」の区別がはっきりと記載されていることを確認してください。
雌雄の組み合わせの重要性
キウイフルーツの多くの品種は「雌雄異株(しゆういしゅ)」であり、実をつける「雌木」と、花粉を提供する「雄木」の2本を一緒に植えなければ結実しません。このとき、ただ雌雄を揃えれば良いというわけではなく、両者の開花時期が合う相性の良い組み合わせを選ぶことが不可欠です。品種によって開花時期が微妙に異なるため、購入時に必ず店員さんに確認するか、推奨される組み合わせのセットを選ぶようにしましょう。
以下に代表的な品種の組み合わせ例を挙げます。
| 目的の品種(雌木) | 相性の良い雄木 | 特徴 |
| ヘイワード(緑肉種) | トムリ、マツア | 最もポピュラーな品種。育てやすく豊産性。 |
| ゴールデンキング(黄肉種) | 孫悟空、ロッキー | 甘みが強くジューシーな黄色い果肉。 |
| レインボーレッド(赤肉種) | 早雄(そうゆう) | 中心部が赤い。糖度が高く酸味が少ない。 |
土作りと植え付け場所
苗木を選んだら、次は植え付ける環境を整えます。キウイは日当たりと水はけの良い場所を好みます。
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土壌:水はけと水もちのバランスが良い、弱酸性(pH5.5~6.0程度)の土壌が最適です。地植えの場合は、植え付けの2週間ほど前に、掘り起こした土に腐葉土や堆肥をたっぷりと混ぜ込み、土壌を改良しておきます。鉢植えの場合は、市販の「果樹・花木の土」を利用するのが手軽で確実です。自分で配合する場合は、「赤玉土(小粒)7:腐葉土3」の割合で混ぜたものが基本となります。
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場所:日当たりが良く、風通しの良い場所を選びます。ただし、強風が直接当たる場所は、枝が折れたり果実が傷ついたりする原因になるため避けた方が無難です。
支柱と誘引の準備
キウイはつる性の植物なので、成長に合わせてつるを絡ませるための支柱や棚が必須です。地植えの場合は、パーゴラや棚を設置する「棚仕立て」が一般的です。鉢植えの場合は、行灯(あんどん)支柱を立ててつるを巻きつけていく「あんどん仕立て」が省スペースでおすすめです。植え付けと同時に支柱を立て、伸びてきたつるを適宜ひもで結びつけて目的の形に誘導(誘引)していきます。
これらの初期設定を丁寧に行うことで、キウ-イは元気に根を張り、数年後の収穫に向けて順調に成長してくれるでしょう。
最適なキウイ苗の植え付け時期

キウイフルーツの苗木を植え付ける時期は、その後の根の活着や成長に大きく影響を与えるため、非常に重要なポイントです。最適な時期は、お住まいの地域の気候によって異なりますが、大きく分けて秋植えと春植えの2つのタイミングがあります。
一般的に、関東以西の比較的温暖な地域では、10月下旬から12月頃の秋植えが最も推奨されます。この時期は、地上部の成長が止まり、木が休眠に入るタイミングです。休眠期に植え付けることで、木への負担が少なく、春に新しい葉が芽吹くまでの間に、土の中でゆっくりと根を張らせることができます。これにより、春からの成長期に力強いスタートを切ることが可能になります。
ただし、秋植えには注意点もあります。植え付け直後の冬に、厳しい寒さや霜、乾燥が続くと、まだ十分に根付いていない若い苗がダメージを受けてしまう可能性があります。特に植え付けた最初の冬は、株元にワラや腐葉土を敷いてマルチングを施し、霜よけや乾燥対策を行うと安心です。
一方、冬の寒さが厳しい東北地方や北海道、高地などの寒冷地では、凍害のリスクを避けるために、春植えが適しています。具体的には、厳しい寒さが和らぎ、遅霜の心配がなくなった3月から4月頃が植え付けのタイミングとなります。春に植え付けることで、苗木が凍結によって枯れてしまうリスクを回避し、植え付け後すぐに始まる成長期に合わせて育てることができます。
春植えのデメリットとしては、植え付けから夏までの期間が短いため、根が十分に張り切らないうちに梅雨や夏の高温期を迎えることになる点が挙げられます。このため、夏場の水切れには特に注意が必要です。
要するに、温暖地では根の活着を優先して秋植えを、寒冷地では凍害リスクを避けて春植えを選ぶのが基本です。ご自身の地域の気候特性を考慮し、最適な時期に植え付けを行うことが、キウイ栽培を成功させるための鍵となります。
ゴールドキウイの育て方のコツ

近年、スーパーマーケットでもすっかりおなじみになった、果肉が黄色いゴールドキウイ。その甘みの強さとジューシーさから、家庭菜園でも育ててみたいと考える方が増えています。ゴールドキウイの育て方の基本は、一般的な緑肉種のキウイと大きくは変わりませんが、いくつかの品種特有のコツを押さえておくことで、より成功率を高めることができます。
まず最も大切なのが、前述の通り、品種に合った雄木を選ぶことです。ゴールドキウイ系の雌木は、緑肉種の代表である「ヘイワード」などとは開花時期が異なることが多いです。そのため、緑肉種用の雄木(トムリなど)を植えても、花粉のタイミングが合わずに受粉できず、まったく実がならないという事態に陥りがちです。
例えば、「ゴールデンキング」や「ゴールデンイエロー」といった黄肉種の雌木には、「孫悟空」や「ロッキー」といった雄木が、開花時期の相性が良いとされています。苗木を購入する際は、必ず品種の組み合わせを確認し、適切な雄木をセットで入手することが、ゴールドキウイ栽培の絶対条件と言えます。
次に、病気への注意が挙げられます。キウイフルーツは比較的病害虫に強い果樹ですが、ゴールドキウイは緑肉種に比べて、特定の病気に弱い側面があるとも言われています。特に注意したいのが「かいよう病」です。これは細菌によって引き起こされる病気で、一度発生すると防除が難しく、木を枯らしてしまうこともあります。雨や風によって枝葉の傷口から細菌が侵入することが多いため、台風対策をしっかりと行うことや、剪定後の切り口に保護剤を塗るなどの対策が有効です。また、日当たりと風通しを良くして、多湿な環境を作らないように心がけることも、病気の予防につながります。
剪定に関しては、基本的な考え方は緑肉種と同様です。その年に伸びた新しいつるに花芽がつくため、冬の休眠期に、実をつけた古い枝や混み合った枝を整理し、新しい枝をバランスよく配置する作業が中心となります。
以上のことから、ゴールドキウイの栽培を成功させるには、品種に適した雄木を確実に用意すること、そして風通しの良い環境で病気を予防しながら丁寧に管理することが鍵となります。これらの点を押さえれば、家庭でも甘くて美味しい黄金色の果実の収穫が期待できるでしょう。

鉢植えでの育て方と期待できる収穫量
「庭はないけれど、ベランダでキウイを育ててみたい」と考える方にとって、鉢植え栽培は魅力的な選択肢です。省スペースで管理できる鉢植えですが、地植えとは異なる注意点があり、収穫量にも違いが出てきます。
鉢植えでの育て方
鉢植え栽培の最大のポイントは、水と肥料の管理です。鉢の中は土の量が限られているため、地植えに比べて乾燥しやすく、肥料も流れ出しやすい性質があります。
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鉢のサイズ:キウイは生育旺盛なので、できるだけ大きな鉢を用意します。最低でも直径・深さが30cm以上ある8号から10号鉢、最終的にはそれ以上のサイズが理想です。雌木と雄木は、根が競合しないように別々の鉢で育てるのが基本です。
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水やり:土の表面が乾いたら、鉢底から水が流れ出るまでたっぷりと与えるのが原則です。特に成長期である春から夏にかけては水切れしやすく、晴れた日が続く夏場は、朝と夕方の1日2回の水やりが必要になることもあります。
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肥料:限られた土の中で育つため、定期的な施肥が欠かせません。元肥として植え付け時に緩効性肥料を土に混ぜ込むほか、成長期の6月頃と、収穫後のお礼肥として10月頃に追肥を行います。
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仕立て方:ベランダなど限られたスペースでは、つるをコンパクトにまとめる「あんどん仕立て」が一般的です。リングの付いた支柱を鉢に立て、伸びてくるつるをリングに沿わせてらせん状に誘引していきます。
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植え替え:2~3年に一度、根詰まりを防ぐために一回り大きな鉢への植え替えが必要です。植え替えは、木の休眠期である11月~2月頃に行います。

期待できる収穫量
鉢植え栽培で気になるのが、どれくらいの量が収穫できるかという点でしょう。結論から言うと、地植えに比べて収穫量は少なくなります。地植えでは、大きく育てれば1本の木から100個以上の収穫も夢ではありませんが、鉢植えの場合は根の張りが制限されるため、木の大きさもコンパクトになります。
そのため、期待できる収穫量は、木の大きさや管理の仕方によって大きく変わりますが、数個から数十個程度が一般的な目安となります。鉢を大きくし、剪定や施肥を適切に行い、木を健全に大きく育てることができれば、収穫量を増やすことは可能です。
鉢植え栽培は、こまめな水やりや植え替えといった手間はかかりますが、その分、木の成長を間近で感じられる喜びがあります。地植えほどの量は望めなくても、自分で育てたキウイを収穫し味わうという、特別な体験をすることができるでしょう。
挿し木での簡単なキウイの育て方

キウイ栽培に慣れてきて、「今育てている木と同じ品種の株を増やしたい」「コストをかけずに苗を手に入れたい」と考えたときには、「挿し木」という方法が選択肢になります。挿し木は、切り取った枝から根を出させて新しい株を作る繁殖方法で、比較的簡単に行うことができます。
挿し木には、作業を行う時期によって主に2つの方法があります。
緑枝挿し(りょくしざし)
その年に新しく伸びた、まだ緑色で少し硬くなり始めた枝を使う方法で、6月~7月頃が適期です。成功率が比較的高く、初心者にもおすすめの方法です。
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元気の良い新しい枝を10~15cmほどの長さ(2~3節)で切り取ります。
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先端の葉を2~3枚残し、他の葉は付け根から切り落とします。残した葉も、蒸散を防ぐために半分ほどの大きさにカットします。
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切り口をカッターナイフなどで斜めに鋭く切り直し、1~2時間ほど水に浸けて吸水させます(発根促進剤を使用するとさらに成功率が上がります)。
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挿し木用の土(赤玉土や鹿沼土の小粒など、清潔な土)をポットやトレーに入れ、あらかじめ湿らせておきます。
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枝を土に挿し、周りの土を軽く押さえて固定します。
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土が乾かないように管理し、直射日光の当たらない明るい日陰で発根を待ちます。
休眠枝挿し(きゅうみんしざし)
葉が落ちた休眠期に行う方法で、2月~3月頃が適期です。前年に伸びた枝(充実した1年枝)を使います。
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前年に伸びた枝を10~15cmほどの長さで切り取ります。
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緑枝挿しと同様に、切り口を整えて水揚げします。
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清潔な用土に挿し、土を乾かさないように管理します。春になり暖かくなると、芽が動き出し、徐々に発根します。
挿し木のメリットとデメリット
挿し木の最大のメリットは、親木と全く同じ性質(遺伝子)の木を増やせる点です。雌木から挿し木をすれば雌木の苗が、雄木からすれば雄木の苗が確実に得られます。また、コストがかからない点も大きな魅力です。
一方、デメリットとしては、必ずしも100%成功するわけではないことが挙げられます。また、発根して新しい株として成長を始めるまでに時間がかかり、そこから実がなるまでの年数は、購入した苗木よりも長くなる可能性があります。
このように、挿し木はキウイ栽培の楽しみをさらに広げてくれる方法です。栽培に慣れてきたら、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
キウイ実がなるまでの疑問と注意点

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キウイの実がならないのはなぜですか?
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キウイは1本でも実がなりますか?
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庭に植えてはいけない理由は何ですか?
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知っておきたいキウイの木の寿命
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キウイ実がなるまで気長に楽しむ
キウイの実がならないのはなぜですか?

大切に育ててきたキウイの木に、待望の花が咲いたにもかかわらず、一向に実がつかない。これは、家庭菜園でキウイを育てる方が直面しがちな、非常に残念な問題です。キウイの実がならない場合、その原因はいくつか考えられます。一つずつ確認し、適切な対策を講じましょう。
| 主な原因 | 確認するポイントと対策 |
| 1. 受粉ができていない | ・雄木と雌木の両方があるか? 開花時期は合っているか?<br>・対策: 相性の良い雌雄の木を揃える。開花時期がずれる場合は、雄花の花粉を冷凍保存するか、市販の花粉を利用して人工授粉を行う。絵筆や綿棒で雌しべに優しく花粉をつける。 |
| 2. 剪定が間違っている | ・花芽がつく枝を切ってしまっていないか?<br>・対策: キウイは基本的にその年に新しく伸びた枝に花芽がつく。冬の剪定で、前年に伸びた元気な枝をすべて切り落としてしまうと花が咲かない。魚の骨のような主枝から伸びる結果枝を適度に残す剪定を学ぶ。 |
| 3. 木がまだ若い | ・植え付けてから何年経っているか?<br>・対策: 苗からでも結実まで1~2年はかかる。木がまだ成熟していないだけかもしれないので、焦らず成長を見守る。 |
| 4. 肥料の与えすぎ | ・葉や蔓ばかりが青々と茂りすぎていないか?<br>・対策: 肥料、特に窒素成分が多すぎると、木が子孫を残す(実をつける)ことより、自身の体を大きくすること(葉や枝を伸ばすこと)に栄養を使ってしまう「つるぼけ(木ぼけ)」という状態になる。肥料の量や種類を見直す。 |
最も多い原因は「受粉」の問題
中でも、実がならない原因として最も多いのが受粉の失敗です。前述の通り、キウイのほとんどの品種は雌雄異株であり、雌花と雄花が揃って初めて受粉が成立します。どちらか一方の木しかない、あるいは雌雄があっても開花のタイミングがずれてしまっていては、実がつくことはありません。
また、ミツバチなどの訪花昆虫が少ない都市部のベランダなどでは、雌雄の木が同時に咲いていても、受粉がうまくいかないことがあります。このため、家庭で確実に実をつけさせるには「人工授粉」が非常に有効な手段となります。雄花を摘み取り、雌花の中心にある白いヒゲのような雌しべに、花粉をやさしくこすりつけるだけです。この一手間が、秋の豊かな収穫につながります。
これらの原因を一つずつチェックし、心当たりがある点から改善していくことで、翌年こそは美味しいキウイの実に出会える可能性が高まります。
キウイは1本でも実がなりますか?

「キウイを育てたいけれど、2本も植えるスペースがない」という方は少なくないでしょう。そこで浮かぶのが、「キウイは1本だけでも実はなるのだろうか?」という疑問です。
結論から言うと、ほとんどの品種は1本だけでは実がなりません。前述の通り、キウイの多くは「雌雄異株」であり、果実が実る「雌木」と、受粉に必要な花粉を咲かせる「雄木」の2本が揃わないと、結実しないのが原則です。
しかし、この原則には例外があります。近年の品種改良により、1本でも実をつけることができる品種が登場しているのです。これらの品種は、1本の木に雌花と雄花の両方が咲いたり、自分の花粉で受粉できる両性花を咲かせたりする性質を持っています。このような性質を「自家結実性」と呼びます。
代表的な自家結実性の品種としては、「ニューエメラルド」などが知られています。この品種は、1本植えるだけで結実するため、ベランダでの鉢植え栽培など、限られたスペースでキウイを楽しみたい場合に最適な選択肢となります。
ただし、1本で実がなる品種にも知っておきたい点があります。一般的に、自家結実性の品種であっても、近くに別の雄木(開花期の合うもの)があった方が、受粉の確率が上がり、より多くの実をつけたり、果実が大きく育ったりする傾向があります。もしスペースに余裕があるなら、自家結実性の品種であっても雄木を一緒に植えることで、さらなる収穫量アップが期待できます。
まとめると、基本的には雌雄2本の木が必要ですが、品種を選べば1本でもキウイの収穫は可能です。ご自身の栽培スペースや目的に合わせて、2本を植えるか、1本で済む品種を選ぶかを検討するとよいでしょう。
庭に植えてはいけない理由は何ですか?

インターネットなどで時折、「キウイを庭に植えてはいけない」という言葉を見かけることがあります。これを読んで、庭植えを検討していた方は不安に感じてしまうかもしれません。しかし、これは「植えること自体が悪い」という意味ではなく、「キウイの性質を理解せずに安易に植えると後悔することがある」という注意喚起と捉えるのが正確です。
キウイを庭に植える際に知っておくべき、主な理由は以下の通りです。
1. 非常に旺盛な生育力
キウイはつる性の植物で、その成長スピードは驚くほど速く、旺盛です。適切な管理をしないと、1年で5~6mもつるが伸びることも珍しくありません。頑丈な棚やフェンスを用意して誘引する場所を確保しておかないと、あっという間に他の庭木に絡みついたり、家の壁や雨どいを覆ってしまったりと、手に負えないジャングルのような状態になってしまいます。
2. 定期的な剪定が不可欠
その旺盛な生育力ゆえに、キウイの栽培には定期的な剪定作業が絶対に欠かせません。年に2回、特に葉が落ちた冬に行う大幅な剪定は、翌年の収穫のためだけでなく、木全体の大きさをコントロールし、風通しを良くして病気を防ぐためにも必須の作業です。この剪定の手間を面倒に感じて放置してしまうと、前述の通り収拾がつかなくなります。
3. 頑丈な棚や支柱が必要
つるを這わせるための棚(パーゴラなど)や支柱は、生半可な強度のものでは不十分です。成長したキウイの枝葉と、そこに実ったたくさんの果実の重さは相当なものになります。台風や大雪に耐えられる、しっかりとした構造の棚を設置する必要があり、これには初期投資と設置の手間がかかります。
4. 根の広がりと落葉
地植えにすると根も広範囲に張ります。建物の基礎のすぐそばなど、極端に近い場所に植えるのは避けた方が賢明です。また、キウイは落葉樹なので、秋になると大量の大きな葉が落ちます。その掃除の手間も考慮に入れておく必要があります。
これらの理由から、「植えてはいけない」と言われることがあるのです。しかし、逆に言えば、これらの特性をあらかじめ理解し、「頑丈な棚を設置するスペースを確保する」「定期的な剪定をきちんと行う」という計画さえ立てれば、庭植えは何の問題もありません。むしろ、夏には涼しい木陰を提供してくれ、秋には自家製の美味しい果実をたくさん収穫できるという、大きな魅力と喜びをもたらしてくれます。
知っておきたいキウイの木の寿命

大切に育て始めるキウイの木が、一体どのくらいの期間、私たちを楽しませてくれるのか。その寿命について知っておくことは、長期的な栽培計画を立てる上で興味深いポイントです。
結論から言うと、キウイフルーツの木は非常に長寿な果樹です。適切な管理を行えば、家庭で栽培する場合、20年から30年、あるいはそれ以上にわたって毎年実をつけてくれる可能性があります。実際に、農家の方の畑などでは、植え付けから50年以上経過した木が現役でたくさんの実をならせている例も珍しくありません。
一般的に、農家が栽培する際の「経済樹齢」という考え方があります。これは、十分な収益を上げられる品質と量の果実を生産できる期間を指し、キウイの場合はおおむね20~30年が一つの目安とされています。この期間を過ぎると、徐々に収量が落ちたり、木の勢いが衰えたりするため、新しい苗木に植え替えることが多くなります。
しかし、これはあくまで商業栽培での話です。家庭で楽しむ分には、収量が多少減ったとしても、毎年自家製のキウイが味わえるだけで十分な喜びがあります。そのため、家庭菜園における実際の寿命は、この経済樹齢よりもはるかに長いと考えることができます。
キウイの木の寿命をできるだけ延ばし、長く収穫を楽しむためには、日々の適切な管理が鍵となります。
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適切な剪定:毎年、冬の剪定で古い枝を整理し、新しい枝に更新していくことで、木全体の若さを保ちます。
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土壌管理:定期的にお礼肥や寒肥を与えることで、土壌の栄養バランスを保ち、木の活力を維持します。
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病害虫対策:病気や害虫を早期に発見し、対処することで、木が致命的なダメージを受けるのを防ぎます。
一度植えれば、適切な手入れを続けることで、自分が年を重ねるとともに成長し、もしかしたら次の世代にも引き継げるかもしれない。キウイは、そんな息の長い付き合いができる、魅力あふれる果樹なのです。
まとめ キウイ実がなるまで気長に楽しむ

この記事では、キウイの実がなるまでの期間や、そのための具体的な育て方、そして栽培過程で生じる様々な疑問について解説してきました。最後に、今回の重要なポイントをまとめます。
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キウイは苗から育てると1~2年で実がなり始める
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種からだと結実まで3~8年と長い期間が必要
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ほとんどの品種は実をつける雌木と花粉用の雄木の2本が必要
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品種を選べば1本でも実がなるキウイも存在する
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苗木は幹が太く病害虫のない元気なものを選ぶ
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植え付けは暖地なら秋、寒冷地なら春が適期
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ゴールドキウイは品種に合った雄木選びが特に重要
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つるを誘引するための棚や支柱が必ず必要になる
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鉢植え栽培は水と肥料の管理が地植えより重要
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鉢植えの収穫量は地植えに比べて少なくなる傾向がある
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挿し木で親木と全く同じ性質の株を増やすことも可能
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実がならない主な原因は受粉の失敗や剪定ミス
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人工授粉を行うと家庭でも確実に結実させやすい
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「庭に植えてはいけない」は旺盛な成長への注意喚起
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キウイの木は寿命が長く20~30年以上収穫を楽しめる

