庭に独特な雰囲気を与えてくれる植物として人気のあるトケイソウですが、実は「トケイソウ 植えては いけない 理由」で検索されるほど、栽培には慎重さが求められる植物でもあります。その理由は、見た目の美しさとは裏腹に、育て方を間違えると予想外のトラブルに発展することがあるためです。
例えば、つる性の強い生育力によって他の植物を覆い尽くしてしまったり、剪定や誘引を怠ると手に負えなくなったりと、トケイソウの育て方には明確な注意点があります。また、葉や茎には毒性があり、多量に摂取すると幻覚や中毒症状を引き起こす可能性があることも見逃せません。さらに、トケイソウの実には観賞用と食用があり、見た目では判別しづらいため、パッションフルーツと混同して口にするのは非常に危険です。
その一方で、トケイソウの花には「時計草」という別名があり、形がユニークなことから目を引く存在でもあります。しかしこの見た目が「気持ち悪い」と感じられることもあり、特に集合体恐怖症を持つ人には刺激が強いとされます。さらに、トケイソウの花言葉には「聖なる愛」「宗教的情熱」などの意味が込められており、その由来を知ると少し怖いと感じる人もいるかもしれません。
この記事では、「トケイソウ 植えては いけない 理由」を中心に、トケイソウとパッションフルーツの違いは何ですか?といった疑問から、トケイソウは毎年咲きますか?やトケイソウは地植えで冬越しできますか?といった栽培に関する情報まで、幅広く詳しく解説していきます。また、誕生日にちなんだトケイソウ 誕生花としての意味にも触れながら、栽培のポイントとリスクを正しく理解できる内容をお届けします。
記事のポイント
- トケイソウが庭に与える悪影響と繁殖力の強さ
- 毒性や幻覚作用など人体やペットへの危険性
- 見た目や花言葉が与える心理的な印象
- 食用と観賞用の違いおよび育て方の注意点
トケイソウ 植えては いけない理由とは
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増殖しすぎて庭を覆う恐れ
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トケイソウの毒性と幻覚のリスク
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トケイソウが気持ち悪いと言われる理由
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花言葉が怖い植物としての一面
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トケイソウ 実には食べられない種類もある
増殖しすぎて庭を覆う恐れ
トケイソウを庭に植える際に最も気をつけたいのが、その驚くべき繁殖力です。つる性植物であるトケイソウは、気温や日照条件が合えば一気に成長し、短期間でフェンスや他の植物を覆い尽くしてしまうことがあります。
これは見た目には華やかでインパクトがあるかもしれませんが、ガーデニングにおいては大きな問題となることもあります。なぜなら、他の植物に日光が届かなくなったり、風通しが悪くなって病害虫の温床になったりするからです。特に地植えの場合、根が地中に深く広がり、翌年以降も勝手に発芽して増えていくという厄介な性質も持ち合わせています。
例えば、最初は一角のフェンスに這わせる目的で植えたトケイソウが、数ヶ月後には庭全体に広がってしまい、他の植物を圧倒して枯らしてしまったというケースも珍しくありません。剪定や誘引を怠ると、一気に手に負えなくなるのです。
こうした事態を防ぐには、鉢植えにして生育範囲を制限したり、こまめな剪定を行ったりする必要があります。ただし、これらの作業には定期的な手間がかかるため、時間や労力に余裕がない場合は、そもそも植えないという判断も検討する価値があります。
つまり、トケイソウは魅力的な植物ではあるものの、管理を怠ると庭全体に悪影響を及ぼすリスクが高い植物です。慎重な判断と計画的な栽培が求められます。
トケイソウの毒性と幻覚のリスク
トケイソウは一見するとトロピカルな美しさが魅力的ですが、見過ごせないのがその毒性です。特に葉や茎には、シアン化合物やアルカロイドといった成分が含まれており、これらは多量に摂取すると体に悪影響を及ぼす可能性があります。
中南米などの地域では、トケイソウの成分を薬草として活用する文化がありますが、これを安全に利用するには専門的な知識が必要です。素人が見よう見まねで利用した場合、思わぬ健康被害を引き起こす恐れがあります。特に、誤って大量に摂取してしまうと、幻覚や嘔吐、めまいなどの症状が現れる危険性も指摘されています。
例えば、小さな子どもやペットが庭で遊んでいる最中にトケイソウの葉を口にしてしまった場合、成分によっては中毒症状を起こす可能性があります。家庭菜園の延長で気軽に取り入れてしまうと、思わぬリスクを背負いかねません。
また、観賞用として流通しているトケイソウの中には果実ができる品種もありますが、そのすべてが食用ではありません。パッションフルーツとして知られる「クダモノトケイソウ」は食べても問題ありませんが、その他の品種の果実には毒性がある場合があり、見た目だけで判断するのは非常に危険です。
このように、見た目の美しさとは裏腹に、トケイソウには注意すべき毒性があるという事実をしっかりと理解しておく必要があります。家庭に小さな子どもやペットがいる場合は、特に慎重になるべき植物です。
トケイソウが気持ち悪いと言われる理由
トケイソウが「気持ち悪い」と言われることには、いくつかの視覚的・心理的要因が関係しています。特にその花の構造は、他の一般的な花と比べて非常に独特で、見る人によっては不快感を覚えることがあります。
まず第一に挙げられるのが、その形状です。花の中心には放射状に広がる糸のような構造があり、まるで時計の針や歯車のような印象を与えます。これが「時計草(トケイソウ)」という名前の由来にもなっていますが、幾何学的な模様が密集した姿は、集合体恐怖症(トライポフォビア)を持つ人にとっては非常に刺激の強いビジュアルになりかねません。
さらに色合いにも注目すべき点があります。紫や白、ピンクなどの鮮やかな色が入り混じり、花の模様が非常に複雑で濃淡も激しいため、人工的で不自然な印象を与えることがあります。このようなビジュアルは、一部の人にとっては「自然らしくない」「不気味」と映る可能性があるのです。
例えばSNSや掲示板などでも、「きれいだけど、見た目が怖い」「目が離せないけど気持ち悪い」という感想が少なくありません。こうした反応は、単に主観の問題に留まらず、実際に視覚的な刺激が強いことの証とも言えるでしょう。
このため、トケイソウはガーデニングやインテリアとして人気がある一方で、家族や来客の好みによっては不評を買うリスクもあります。庭やベランダに植える際は、見た目のインパクトが強すぎないかどうかも考慮したほうが良いでしょう。
花言葉が怖い植物としての一面
トケイソウは美しい見た目からは想像しづらいかもしれませんが、花言葉には少しダークな側面が含まれています。代表的な花言葉のひとつに「聖なる愛」がありますが、その他に「宗教的情熱」「信仰」など、やや重たい意味を持つ言葉が並ぶのが特徴です。これらの言葉の背景には、トケイソウの独特な花の構造が深く関係しています。
というのも、トケイソウはキリスト教と深いつながりがある花で、英語では「Passion Flower(受難の花)」と呼ばれています。これは、キリストの受難を象徴するパーツが花の中に含まれているとされているからです。花の中心にある5本の雄しべはキリストの受けた五つの傷、3本の柱頭は十字架に使われた釘、花びらやがく片は12使徒を表すなど、各部位に象徴的な意味が付けられてきました。
このような背景を持つために、トケイソウには「犠牲」「苦悩」といった、あまり明るいとは言えないイメージがつきまとうこともあります。もちろん、宗教的な意味合いを理解したうえで神聖な花として大切にされる場合もありますが、一般の人が花言葉だけを見ると「怖い」「不気味」と感じるのも無理はありません。
また、現代の日本においては花言葉の印象がインテリアや贈り物選びにも影響を与えるため、誰かにトケイソウを贈る際には意味をきちんと理解しておくべきです。知らずに贈ると、相手に不安な気持ちを与えてしまう可能性もあるからです。
このように、トケイソウは単に美しいだけでなく、その背後に深く象徴的な意味を持っている植物です。花言葉の由来を知ることで、見た目だけではわからない“怖さ”の一端に触れることができるかもしれません。
トケイソウ 実には食べられない種類もある
トケイソウには「パッションフルーツ」として親しまれている食用の品種がありますが、すべての実が食べられるわけではありません。観賞用として栽培されるトケイソウの中には、実に毒性がある種類も存在し、食用には適さないどころか健康被害を引き起こす危険性すらあるのです。
パッションフルーツとして知られるのは、主に「クダモノトケイソウ」という品種で、この種類は果実が大きく、味も甘酸っぱくて爽やかです。ジュースやデザートなどにも広く使われており、比較的安全に食べられることが確認されています。一方で、同じトケイソウ属でも観賞を目的とした品種は、果実が小ぶりであったり、独特な苦味や渋みを持っていたりするだけでなく、アルカロイド系の有害成分を含む場合があるのです。
こうした成分は、摂取量によっては嘔吐や腹痛を引き起こすことがあり、特に体の小さな子どもやペットにとっては深刻なリスクとなります。さらに、見た目だけでは食用かどうかを判別するのが難しい点も注意が必要です。家庭で育てたトケイソウに実がついた場合でも、必ずしも食べられるとは限らないという前提を持つことが重要です。
また、観賞用の品種は香りが強く、昆虫を惹きつけやすい性質もあるため、収穫せずに放置すると害虫を引き寄せてしまうこともあります。こうしたリスクも踏まえると、実がなる品種を選ぶ際には、栽培目的をはっきりさせたうえで、信頼できる園芸店や農園から購入するのが安心です。
このように、トケイソウの実には「食べられるもの」と「食べられないもの」がはっきりと存在しており、その違いを知らずに扱うことは非常に危険です。特に家庭菜園の延長で育てる場合には、品種の確認を怠らないようにしましょう。
トケイソウ 植えては いけない理由の詳細
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トケイソウとパッションフルーツの違いは何ですか?
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パッションフルーツ 植えてはいけない理由とは
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トケイソウは毎年咲きますか?
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トケイソウは地植えで冬越しできますか?
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トケイソウ 誕生花としての意味とは
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トケイソウ 育て方の注意点とコツ
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トケイソウの別名が示す特徴
トケイソウとパッションフルーツの違いは何ですか?
トケイソウとパッションフルーツは、どちらも同じ「トケイソウ属」に分類される植物ですが、目的や特徴にいくつかの違いがあります。見た目が似ているため混同されがちですが、用途や性質を理解して選ぶことが大切です。
まず、トケイソウは主に観賞用として育てられることが多く、花の形が特徴的で、インパクトのある見た目が魅力です。名前の由来でもある「時計の針」のような形状の花は、庭やフェンスに這わせると目を引く存在になります。しかし、この観賞用トケイソウの多くは、果実に毒性がある可能性があり、食用には適していません。
一方、パッションフルーツは、トケイソウの中でも「クダモノトケイソウ(Passiflora edulis)」という品種で、果実を食べることを目的に栽培されます。甘酸っぱい果汁を持ち、ジュースやデザートとして人気があります。この品種は果実が大きく、芳香も強いため、食用に適しているとされています。
また、育て方や耐寒性にも違いがあります。観賞用トケイソウは品種によって耐寒性が異なるものの、多くは霜に弱く、寒冷地では屋内での管理が必要です。パッションフルーツも寒さには強くありませんが、品種改良されたものにはある程度耐寒性を備えたタイプも存在します。
このように、両者は同じ属の植物ながら「観賞用か食用か」「実に毒性があるかどうか」など、用途や安全性において大きな違いがあります。選ぶ際は、見た目だけでなく育てる目的や栽培環境をしっかり確認することが重要です。
パッションフルーツ 植えてはいけない理由とは
パッションフルーツは、その甘酸っぱい果実とエキゾチックな見た目から、家庭菜園や庭づくりに取り入れたいと考える人が多い植物です。特に夏場はグリーンカーテンとしても活躍し、実も収穫できるという魅力があります。しかし一方で、あえて「植えてはいけない」と警告されることがあるのは、それなりの理由があるからです。見た目の華やかさとは裏腹に、育てるには相応の覚悟と知識が求められます。
まず最初に知っておきたいのが、パッションフルーツの旺盛すぎる生長スピードと繁殖力です。この植物はつる性であり、気温や日照条件が整うと、1日で数十センチ伸びることも珍しくありません。放置すると、フェンスや壁、さらには隣の植物まで覆い尽くしてしまい、結果的に他の草花の生育を妨げることになります。最初は小さな苗でも、数ヶ月で庭全体を巻き込むほどの勢いになるため、計画的に育てないと収拾がつかなくなる恐れがあります。
さらに問題になるのが、手入れの手間の多さです。パッションフルーツは伸びたつるをそのままにしておくと、枝同士が絡まり合い、通気性が悪化します。こうした状態になると、うどんこ病やカイガラムシ、ハダニといった病害虫の被害を受けやすくなり、最悪の場合は株全体がダメージを受けて枯れてしまうこともあります。定期的な剪定や誘引を怠らないことが、健康な株を維持するための最低条件です。
また、果実の管理にも注意が必要です。実がなっても放置してしまうと、落果した果実が腐敗し、悪臭や虫の発生を招くことになります。特に夏場は気温が高く、果実の傷みが早いため、収穫のタイミングを見誤ると庭が不衛生な状態になりかねません。また、実を大きく美味しく育てるには、栄養管理も必要です。過剰な肥料は病気の原因になりますし、栄養が不足すると実がつかなかったり、味が劣ったりします。このような点からも、初心者が簡単に育てられる植物とは言いづらい一面があります。
さらに、住宅密集地では近隣トラブルにつながるリスクも見逃せません。つるが隣家のフェンスや建物に勝手に絡みついたり、落ちた果実が隣の敷地に転がり込んだりすると、思わぬ迷惑をかけてしまう可能性があります。植物の管理に不慣れな場合や、庭に広いスペースがない場合は、植えるべきではないと言われるのも無理はありません。
つまり、パッションフルーツは確かに美味しく魅力的な植物ですが、「育てやすい」「放っておいても実がなる」といったイメージだけで手を出すと、想像以上の手間とトラブルに悩まされることになります。栽培に時間と労力をかけられる余裕があるか、自宅の環境に合っているかを事前にしっかりと見極めることが、後悔しないためのポイントです。
特に初心者の場合は、鉢植えで小規模に育て、様子を見ながら管理のコツを掴んでいく方法がおすすめです。適切に管理すれば、毎年果実を収穫できる魅力的な植物であることも確かなので、「植えてはいけない」という言葉の裏には、育て方に対する注意喚起が込められているのだと理解しておくと良いでしょう。
トケイソウは毎年咲きますか?
トケイソウは多年草のため、基本的には条件が整えば毎年開花を楽しむことができる植物です。ただし、地域の気候や管理の仕方によっては、思うように咲かない年もあるため、確実に毎年咲かせるためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。
まず、気候との相性が非常に重要です。トケイソウは熱帯原産の植物で、寒さに弱い性質を持っています。そのため、冬場に霜が降りる地域では屋外での越冬が難しく、地植えでは枯れてしまうことがあります。最低でも気温が5℃を下回らない環境が必要とされており、寒冷地では鉢植えにして冬の間は屋内に取り込むことが勧められます。
また、適切な剪定と施肥も開花には欠かせません。枝が伸び放題になってしまうと、日当たりや風通しが悪くなり、花芽がつきにくくなります。春〜夏にかけては定期的な剪定を行い、花が咲いたあとの枯れた部分も早めに取り除くことで、株のエネルギーを次の花に回すことができます。
ただ単に毎年咲かせるのではなく、美しく健康的に咲かせるには栽培環境の最適化が不可欠です。たとえば、土壌は水はけが良く、栄養がしっかり含まれていることが望ましく、日当たりの良い場所での管理が理想的です。加えて、過湿にならないよう水やりにも注意しましょう。
このように、トケイソウは条件を満たせば毎年咲いてくれる植物ですが、放任していてはその魅力を最大限に引き出すことはできません。定期的な手入れと環境への配慮が、毎年美しい花を咲かせるための鍵になります。
トケイソウは地植えで冬越しできますか?
トケイソウを地植えで冬越しできるかどうかは、住んでいる地域の「冬の最低気温」と「霜の発生状況」が大きな判断材料になります。特に寒冷地では、冬の管理を誤るとあっという間に枯れてしまう可能性があるため、植え付け前に気候条件を十分に確認しておく必要があります。
トケイソウは南米などの熱帯〜亜熱帯地域を原産とする植物で、寒さに非常に敏感です。植物体自体は多年草に分類されており、本来であれば複数年にわたって育て続けることが可能です。しかし、耐寒性はそれほど強くなく、目安として気温が5℃を下回るとダメージを受けやすくなると考えられています。特に霜が降りる地域では、葉や茎が凍害に遭い、一晩で全体が萎れてしまうということも珍しくありません。
それでも、冬でも比較的温暖な沿岸地域や西日本の一部など、霜が降りにくく、最低気温が5〜10℃を保てる環境であれば、地植えでの越冬も可能なケースがあります。ただし、「育つ可能性がある」という程度であって、ノーガードで冬を越せるわけではありません。冬の入り口にはしっかりと防寒対策を講じておく必要があります。
具体的な対策としては、まず株元を守ることが基本です。地表の温度を少しでも維持するために、腐葉土やバークチップ、わら、落ち葉などを厚めに敷き詰めてマルチングすると、根が冷えすぎるのを防げます。さらに、全体を防寒ネットや不織布などで包み込むように覆うことで、冷風や霜の直接的な影響を減らせます。場合によっては、簡易ビニールハウスや風除けフェンスを設置することで、より安定した環境を保つことも検討できます。
一方で、内陸部や標高の高い場所、積雪地帯などでは、こうした対策をしても越冬はかなり難しいのが実情です。その場合は、最初から鉢植えで育てるほうが安全かつ現実的です。 鉢であれば、気温が下がる時期に室内へ取り込むことができ、暖かくて明るい場所(たとえば日当たりの良い窓辺など)で冬の間も健康な状態を維持できます。加えて、天候の急変にも柔軟に対応できるため、寒さによるダメージを最小限に抑えることが可能です。
特に、冬の寒さが厳しい地域に住んでいる場合、地植えを検討するならば、あらかじめ耐寒性のあるトケイソウの品種を選ぶこともポイントです。ただし、一般的な園芸店ではこうした耐寒性品種があまり流通していないため、取り扱い店や品種の情報を事前に調べておくと安心です。
このように、トケイソウの冬越しは「地植え=絶対NG」というわけではありませんが、成功の可否は地域の気候条件と手入れの手間に大きく左右されます。最初の段階で育てる場所と方法を見極めておくことが、長く美しい花を楽しむための第一歩と言えるでしょう。
トケイソウ 誕生花としての意味とは
トケイソウは見た目のインパクトに加えて、誕生花としても独特な意味合いを持つ植物です。主に6月23日や7月19日などがトケイソウの誕生花とされることが多く、花言葉には「聖なる愛」「信仰」「宗教的情熱」など、精神性の高い言葉が並びます。
これらの意味は、トケイソウの花の形状とキリスト教との関係に由来しています。前述の通り、花の構造がキリストの受難を象徴しているとされることから、「聖なる犠牲」や「自己犠牲の精神」といった深い意味が込められているのです。このため、単なる華やかさや可憐さとは異なり、信念や内面の強さを象徴する花として知られています。
例えば、誕生日にトケイソウを贈る場合、その花言葉の背景を理解していないと「重い意味合いがある」と受け取られてしまう可能性もあります。その一方で、困難を乗り越えて努力している人や、精神的に支えとなっている人への贈り物には、これほど深い意味を持った花も珍しいと言えるでしょう。
また、宗教や歴史、文化に関心がある人にとっては、誕生花としてのトケイソウは非常に意味深く、記憶に残る花となります。個性的でありながらも強い象徴性を持っていることから、自分自身の誕生花がトケイソウである場合、自己表現の一部としても意識しやすい植物かもしれません。
このように、トケイソウは誕生花の中でも異色の存在です。贈る場面や相手によっては注意が必要ですが、背景をきちんと説明できれば、深く心に響くメッセージを伝えることができます。
トケイソウ 育て方の注意点とコツ
トケイソウは、他にない個性的な花の形状と、つる性ならではのダイナミックな成長で多くの園芸ファンを魅了しています。ただ、その魅力の裏側には、きちんと管理しなければ庭全体に悪影響を及ぼすという注意点が潜んでいます。初心者でも育てることは可能ですが、基本を押さえておかないと、手に負えなくなるケースもあります。そこでここでは、トケイソウを上手に育てるためのコツと、気をつけておくべきポイントを詳しく解説します。
まず最初に意識すべきなのは、生長スピードが非常に早い植物であることです。気温と日照の条件が整えば、つるは数日で何十センチも伸びることがあり、支柱やネットなしではまとまりがつかなくなります。特に梅雨明けから盛夏にかけての時期は爆発的に成長するため、つるを誘引する場所を事前に決めておき、フェンスやアーチ、トレリスなどを設置しておくと後々の管理がスムーズになります。
このとき重要なのが、「伸ばし放題にしない」ことです。つるが自由に伸びすぎると、隣接する植物に絡みつき、光を奪ってしまうだけでなく、風通しが悪くなることで病気を誘発します。そこで取り入れておきたいのが定期的な剪定です。月1回を目安に不要な枝を切り戻し、つるが混み合わないように整えることが推奨されます。特に花が終わった後の花茎をそのまま放置しておくと病害虫の温床にもなりかねないため、花後の手入れも怠らないようにしましょう。
水やりにも一定の注意が必要です。トケイソウはある程度の乾燥には耐えられますが、過湿には弱いという性質を持っています。特に鉢植えで育てる場合は、鉢底からしっかり水が抜ける構造かを確認し、水やりの頻度も控えめに調整することが重要です。「土の表面がしっかり乾いてから水を与える」という基本を守れば、根腐れのリスクを避けることができます。また、夏場の水切れには注意しつつ、涼しい時間帯に水やりを行うことでストレスを軽減できます。
もうひとつ見落とされがちなのが、品種の選び方です。観賞用として販売されているトケイソウの多くは、実がなっても食べられない、あるいは毒性を持つことがあります。一方、食用として知られる「パッションフルーツ(クダモノトケイソウ)」は、果実も安全で美味しく楽しめます。果実を目的に栽培する場合は、品種名や用途をしっかり確認し、誤って有毒な観賞用品種を選ばないよう注意が必要です。ラベルや販売ページに「パッションフルーツ」と明記されているかどうかも、確認しておくと安心です。
また、冬越しの管理にも一工夫が求められます。 トケイソウは寒さに弱い植物のため、冬季に地植えで放置してしまうと、霜や冷風によって株が枯れてしまう可能性があります。寒冷地では鉢植えで育て、冬の間は日当たりの良い室内に取り込むなどの対策を取ることが大切です。特に若い株は冷気の影響を受けやすいため、防寒ネットやマルチングなども併用しながら冬の寒さから守りましょう。
このように、トケイソウは魅力あふれる植物である一方で、しっかりとした管理が欠かせない繊細な一面を持っています。植える前に生育の特徴を理解し、支柱・剪定・水やり・品種選び・冬越しという5つの柱を意識して育てれば、庭やベランダで毎年美しい花とつややかな緑を楽しむことができるでしょう。始める前にほんの少しの準備と知識を加えるだけで、トケイソウは長く付き合えるパートナーになってくれます。
トケイソウの別名が示す特徴
トケイソウには、学名や英名の他に、日本語における「別名」もいくつか存在しています。これらの呼び名を知ることで、トケイソウという植物の見た目や意味合い、そして人々に与えてきた印象をより深く理解することができます。
もっとも広く知られているのは、「パッションフラワー(Passion Flower)」という英名です。この名前には宗教的な意味が含まれており、「Passion=キリストの受難」と結びついています。トケイソウの花の構造が、キリスト教における受難の象徴に似ているとされ、花の各部位が釘や茨の冠、使徒などに見立てられています。このため、欧米では神聖で象徴的な花として扱われることが多く、単なる観賞用の植物以上の意味を持っているのです。
一方で、日本語では「時計草(トケイソウ)」という名前が一般的です。これは、花の形がまるでアナログ時計の文字盤のように見えることから付けられたもので、見た目そのものをストレートに表現しています。この視覚的な印象が強いため、日本では比較的親しみやすい植物として受け止められることが多いようです。
また、地域によっては「受難花」や「十字花」などと呼ばれることもあり、こちらはより宗教的な意味合いが強調された別名になります。特に園芸や植物学の世界では、こうした名前を通じて花の由来や象徴性を説明するケースも見られます。
つまり、トケイソウの別名は、その見た目や象徴性、歴史的背景など、さまざまな側面を表しています。これを知ることで、単なる美しい花というだけでなく、人の文化や感情と深く関わってきた植物であることが分かるのです。育てる際や誰かに紹介する際には、こうした背景に触れることで、より印象的な存在として受け取ってもらえるかもしれません。
トケイソウ 植えては いけない 理由を総まとめすると
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繁殖力が非常に強く庭全体を覆い尽くす恐れがある
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他の植物の光や風を奪い、生育を妨げる
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地中に根を深く張り、翌年も勝手に芽吹く
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剪定や誘引の手間が多く管理負担が大きい
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葉や茎に毒性成分を含み誤食に注意が必要
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摂取量によっては幻覚や嘔吐などの症状を引き起こす
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花の構造が複雑で不快感を抱く人もいる
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集合体恐怖症の人には刺激が強い見た目である
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花言葉に「受難」「犠牲」など暗い意味が含まれる
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一部の品種の実には毒性があり食べられない
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パッションフルーツと外見が似ていて誤認しやすい
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果実を放置すると腐敗や虫の発生を招く
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気温5℃以下では越冬できず枯れる可能性がある
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環境が整えば毎年咲くが管理を怠ると花がつかない
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鉢植え管理でなければ近隣への侵入リスクもある